MagazinePlusおしながき〈2〉

日外アソシエーツの総合文献データベースMagazinePlusはたくさんのコンテンツで構成されています。データベース契約ユーザー向けに配信中のMAILNEWSからリンクして、編集者・K 独自の視点でMagazinePlus登録コンテンツを順次紹介していく、新連載コラムです。
第2回も引き続き「地方史文献年鑑」を取り上げます。

 MagazinePlusのコンテンツとしての「地方史文献年鑑」についてご紹介します。
 位置づけとしては、数あるコンテンツのひとつで、現在、国立国会図書館の雑誌記事索引(雑索)では検索できない文献が49万件あります。雑索などと重複している文献も含めると60万件です。
 順次2024年以降刊行のデータ収集、登録をしていますので、登録件数は毎月増えていきます。

MagazinePlus収録データについて
MagazinePlusのヘルプより

★2024年、2025年刊行資料の情報を随時追加登録

 『地方史文献年鑑2023』までは岩田書院の刊行でしたので、書籍刊行後にデータ提供を受けて登録していましたが、これからはデータはまずMagazinePlusで検索できるようになります。その中から、該当年のデータを取り出して『年鑑』を作成します。
 今秋、日外アソシエーツから刊行予定の『地方史文献年鑑2024』は、編者の飯澤文夫先生の元に届く寄贈誌からの情報、独自に収集した情報、MagazinePlusのなかのNDL雑誌記事索引、それ以外の記事、からできることになります。

書籍版『地方史文献年鑑2024』を構成するデータソース

★書籍版『地方史文献年鑑』(1997~)以前の資料も追加

 NDL雑誌記事索引が地方史刊行物(市町村立博物館の紀要など)を積極的に採録し始めたのは2023年ごろからのことで、それまではあまりありませんでした。1997年から地方史誌の文献を収集している書籍版『地方史文献年鑑』の文献群は貴重なデータと言えるでしょう。
 さらにMagazinePlusでは、『地方史文献年鑑』に掲載された雑誌について、『年鑑』刊行開始(1997年)以前の巻号、また、何らかの事情で採録されていなかった巻号についても調査を行ってデータベースに追加しています。

★NDL(国立国会図書館)に所蔵のない資料も豊富に含まれています

 寄贈誌が届いたら、まずその雑誌がNDLに所蔵があるかどうかの確認から始めます。そうして仕分けをするとわかるのですが、NDLにはない資料が多く含まれているのが、このファイルの特徴です。編者の飯澤先生のもとに集まる大量の寄贈誌によるものが大きいです。

 日本各地には歴史を研究している団体が数多くあり、たいへん熱心に活動されています。
 これらの方々が、編者の飯澤先生のもとに刊行誌を寄贈してくださっています。ここから得られる情報がMagazinePlus「地方史文献年鑑」や「地方史情報」サイト(「地方史研究雑誌目次速報」と「地方史研究雑誌データベース」)のベースになっています。

NDLに所蔵のない雑誌の例(ごく一部)

 両面コピーの二つ折4ページ、ホチキス留めなどの手作り感あふれる雑誌から、平綴じ200ページ超の分厚いもの、たいへん凝った作りの雑誌、メール配信のニュースレターまで、その姿は様々です。すべてに地方史研究の成果が詰まっています。

★NDLに所蔵のない資料(元資料、紙の資料)へのアクセス

 書籍版『地方史文献年鑑』で、またはMagazinePlusで、「これを読みたい」という記事を見つけた時、NDLに所蔵のない、web上に公開もない雑誌にどうやってアクセスしたらよいのか…?
 飯澤先生の元に送っていただいた膨大な寄贈誌群は、データ収集後は明治大学博物館に寄贈され、大切に収蔵されています。国立国会図書館になくてもここにある、という資料も多いのではないでしょうか。
 明治大学博物館(図書館ではなく、博物館の図書室です)は一般の利用も可能な施設です。利用方法をご確認の上、アクセスしてみてください。

★MagazinePlus「地方史文献年鑑」作業日記 データ整理で知ったこと

 このファイル以外にも多くの雑誌記事を扱う仕事をしています。毎日何千何万件という単位のデータを扱うので、1件1件の記事は物量の中に埋もれてしまいます。
 飯澤先生のもとに届く資料を整理していく中で、資料そのものや記事にならない部分の情報に触れることは新鮮でした。その体裁や表紙の様子、編集後記、お知らせページ、会員消息、刊行元の地元企業の広告などは、それぞれの雑誌の生きている環境を教えてくれます。
 また、博物館や資料館の無料配布の情報誌・広報誌にはたいへん凝った誌面作りをしているものも多く、読み応えのあるその道のプロのコラムや講演会の抄録、オリジナル記事があることも知りました。この1文献を、興味のあるどなたかの検索でヒットするようにお届けしたいと、文献データベース作成を仕事とする者として心から思っています。(DB編集部・K)

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