「最近の書誌図書関係文献」制作裏話(その2)

 こんにちは。「最近の書誌図書関係文献」ならびに『書誌年鑑』編者の、有木太一ありき ふとしでございます。前回、実際の出版物から「書誌」を探し出して記録するという仕事について、少しお話ししました。今回は、書誌の採集をどのように行っているか、ご披露したいと思います。

 書誌の採集は、大小さまざまな図書館で行っています。図書館といってもいろいろありますが、私がふだん利用している2つの柱は、自分が住んでいる都道府県の大規模な公立図書館と、出身大学の図書館。それ以外に、全国各地の大小さまざまな図書館・図書室で、書誌を採集しています。

 柱としている2つの図書館では、事前にリストを作っておいてそれを見に行く方式を主に採用しています。各図書館のOPACにある「新着図書」のコーナーから、書名や出版事項、請求記号などをコピーしてエクセルで整理しておき、定期的に紙に打ち出してチェックしに行っています。

 もう一つ、上記以外の図書館でも、書誌の採集活動を行っています。こちらは、私の用語で「機動的採集」といいまして、何の準備もしないで出かけた図書館で、新着図書の棚に出ている本を片っ端からチェックし、書誌が掲載されていたらメモしてくる、というもの。何がキャッチできるかわからないところが醍醐味の一つと言えます。「新着図書」の棚に限っているのは、せっかくメモを取っても、それまでに集めたものと重複していたら、無駄になってしまうからです。ダブリになる可能性が低いやり方、ということですね。

 このような2種類の書誌採集活動を、私は年がら年中やっています。24時間365日、とは参りませんが、意識の上ではそれに近いです。率直に言って気の休まる時がありませんが、2020年版から実行している「書誌の全点確認」は、このようにして達成されています。

 リスト方式でいちばんガッカリするのは、何といっても目指した本があるべき棚にない場合。多くは貸出中である時です。大学図書館では、先生や大学院生が借りている場合、貸出期間が長期にわたることがあるので辛いです。都道府県立の図書館でも、これは頻繁に起こります。東京都の場合、都立図書館は一般向け貸し出しを行っていないのですが、図書館向けの貸し出し(その多くは地域住民の取り寄せ要請)があります。貸出中以外ですと、企画展示に使うため抜かれている場合があります。これは腹が立ちますね。せめて、展示している内容と場所を示すカードぐらい、抜いたところに入れておいて欲しいと思います。企画展示の宣伝にもなるのですから、ぜひお願いしたいです。

 機動的採集については、紙幅が尽きましたので次回ご紹介したいと思います。

 次回もよろしくお願いいたします。(有)

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