《制作・編集者インタビュー》人物・人材情報リスト2025

営業局の(竹)です。今や図書館の郷土資料としても認知されている「都道府県別 人物・人材情報リスト」。最新の2025年版は、2024年12月発売予定です。その制作を担当するDB編集部員に社内インタビューを行い、いろいろとお話を伺いました。

―まずは「都道府県別 人物・人材情報リスト」について簡単にご紹介ください。

分野を問わず、都道府県別に郷土ゆかりの人物のプロフィールをまとめた人物事典です。現存者と物故者、歴史上の人物も含まれます。

また、“人物文献”として図書および新聞記事からピックアップした、その人物に関する文献情報を併載しています。地元の人物が新聞(全国紙・地元紙)や図書でどのように紹介・報道されたかを一覧することができます。

―取次ルートでは流通していないのですね?

そうです。ISBNコードを持たないオンデマンド出版です。受注後、製本に入り、大体6週間で納品いたします。A4上製本で活字も大きくて読みやすいと好評です。

都道府県別ということでどうしても需要が限られてしまうため、オンデマンド出版形式となっています。隔年で刊行しています。

―収録の基準について教えてください。

「人物・人材情報リスト」は、人物情報データベースWHOをベースとしています。WHOの採録基準は、原則「公人」が対象です。政治家、公務員などのほか、経営者や医師、弁護士、大学教授、芸能人、スポーツ選手など、社会的に一定の影響力を持つ人物も含まれます。

ちなみにWHOは1984年に社内データベース化を始め、1986年、パソコン通信の時代よりオンラインサービスを開始しています。その話はまたいつか。

―郷土ゆかりの人物が対象ということですが、“ゆかり”とは…?

出生地、出身地、勤務地である以外に、当地を活動拠点としていたり、在住している(していた)人物などを指します。これらが複数の都道府県にまたがる場合、各都道府県版に重複収録しています。たとえば、車いすテニスのパリ・パラリンピック金メダリストの小田凱人ときとさんの場合、出身地の「愛知県版」と活動拠点の「岐阜県版」のどちらにも収録しています。

―ところで、人物情報の編集作業は大変だと思いますが…。

はい。データ更新のソースとなる年鑑類や訃報情報が減ってきています。また、個人情報保護の観点から情報公開が制限される場合があります。その場合、次のように氏名と簡単な一行紹介、そして“人物文献”を載せています。

情報公開が制限される場合

トータル20万件に上るWHOのデータ更新は、人的・時間的にも大変です。対策として、人物文献(特に新聞記事情報)の充実に注力しているところです。該当する新聞記事の見出しや刊行年月日などの文献データを入力しています。

―“人物文献”について、もう少し教えてください。

2024年までの「図書」「新聞記事」情報を、新しいものから各最大25件収録しています。「図書」は2023年刊行までのものです。 中でも情報の早い「新聞記事」ですが、2024年10月現在、全国紙4紙、地方紙・ブロック紙28紙、スポーツ紙1紙の朝夕刊から毎日採録しています。ニュースや事件に関する人物記事は朝日新聞で代表採録しています。これら以外に、過去には「日刊工業新聞」なども採録していました。

朝日新聞|毎日新聞|読売新聞|日経新聞(※訃報記事のみ産経新聞)

北海道新聞|東奥日報|岩手日報|河北新報|茨城新聞|神奈川新聞|新潟日報|北日本新聞|北國新聞|山梨日日新聞|信濃毎日新聞|岐阜新聞|静岡新聞|中日新聞|京都新聞|朝日新聞大阪版|神戸新聞|山陰中央新報|山陽新聞|中國新聞|愛媛新聞|高知新聞|西日本新聞|長崎新聞|熊本日日新聞|大分合同新聞|南日本新聞|琉球新報

日刊スポーツ
2024年10月現在の採録紙一覧

本来、全ての新聞を対象としたいところですが、採録スタッフが現在4名ということもあり、なかなか手が回らないのが実情です。採録対象としたのは、人物に関して大きく扱われた記事、コラムなどです。

―最後にどんな場面で「人物・人材情報リスト」が役立つか、お聞かせください。

そうですね。たとえば、地元出身の人物が全国メディアや地元メディアでどのように取り上げられたか、人物文献から伺い知ることができます。大リーグの大谷翔平選手ならば、「北海道版」「岩手県版」のどちらにも同じ情報が載っています。

自治体や企業の方には、イベントに呼ぶ講演者・出演者の選定、各種の審議会・委員会のメンバー選定などに活用できます。 学生さんであれば、地元の人物調査・研究の基礎資料としてお使いいただけるかと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

―有り難うございました。

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