JEPAセミナー「橋本大也氏:ChatGPTと本の未来」

 企画推進室の竹村です。去る5月22日、日本電子出版協会(JEPA)主催のWebセミナー「橋本大也氏:ChatGPTと本の未来」を視聴しました。橋本氏はデジタルハリウッド大学教授で、同大学メディアライブラリ館長。データセクション株式会社の創業者です。

 https://www.jepa.or.jp/sem/20230522/

 昨今、巷で騒がれている会話型AI「ChatGPT」(Generative Pre-trained Transfomer)、個人的に興味津々です。2022年11月、リリースされた「GTP-3.5」は無償の体験版との位置づけ。2021年9月までのデータで学習しているとのこと。なので、岸田総理のことを訊ねても回答不能です。

ChatGPT

 今年3月に発表されたばかりの有償版「GPT-4」も学習データの期間は同じそうですが、最先端の「GPT-4」などを活用し、日外データと組み合わせたら、レファレンスサービスの分野で何が生まれるのか!?

 https://openai.com/blog/chatgpt

 その昔、人工無能ちかちゃんという Chatbot がありましたが、人間の発した特定の単語やフレーズを認識し、会話を理解していなくとも、一見、意味が通るように見えるパターンを自動的に返すものでした。

 ChatGPT と人工無能ちかちゃんを比較するのはナンセンスですが、実は「会話を理解していない」という点では同じようです。橋本氏の説明に脳が追いつかなかったのですが、質問は座標であり、その近似値の答えを返しているに過ぎない…とか何とか!?要するに、事前学習の結果、正しい選択肢である確率の高い言葉を選択し、流暢な文章になるようにテキストデータを並べているに過ぎないということですかね。

 ChatGPT はデタラメを返すことがあるので、鵜呑みにせずに裏取りすることが重要と言われますが、文章の「要約」には最適なツールのようです。セミナーでは実際の本づくりと ChatGPT の活用事例が紹介されて、肌感覚で分かりました。

 ところで、セミナーとは無関係のトピックスですが、Google 社が開発したある会話型AIが学習することなしに「ベンガル語」の翻訳能力を獲得したそうです。会話型AIの規模が拡大し、一定のしきい値を突破するごとに、会話以外の新たな能力を獲得する「創発」と呼ばれる現象が起こることがあるらしい。人間の子供によく観察されるもので、創発とは「システムの量的な拡大が質的な変化をもたらすこと」と定義されるそうです。人工無能ならぬ、人工知能たる所以ですかね。これは…あのシンギュラリティ(技術的特異点)到来の前兆でしょうか。(竹)

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