MagazinePlusの成り立ち(1)

企画推進室の(竹)です。

全国の図書館のデータベースご担当様からよく訊かれるのが「MagazinePlusの特長をズバリ教えてほしい」というもの。図書館利用者に各種データベースを案内する上で個別のアピール・ポイントを明確にしたいというわけです。

たとえば、CiNiiは学術雑誌、Web OYA-bunkoは一般商業誌、医中誌Webは医学雑誌というように。ところが、オールラウンドのMagazinePlusの特長は一言で説明できるほど簡単ではありません。

実は社内でも世代交代が進んでおり、MagazinePlusの始まりから現在までの全貌を把握している者も少なくなってきました。そこで、古参の関係者に話を聞いて「MagazinePlusの成り立ち」をまとめてみようと考えました。

最初は「マスコミ」という名称だった

MagazinePlusは歴史的に古いオンライン・データベースです。その分、データ蓄積期間が長く、多くの図書館の導入実績に基づく信頼性があります。

国立国会図書館の雑誌記事索引がNDL-OPACでネット公開されたのが、2002年。CiNii Research(旧CiNii Articles)の元のCiNiiがスタートしたのが、2004年です。一方、MagazinePlus(の前身)が本格的にオンライン(*NICHIGAI ASSIST)でサービス開始したのが、1986年のこと。当時はまだインターネットではなく、コマンドラインのパソコン通信の全盛期で、新聞・雑誌記事情報「マスコミ」と呼ばれていました。やがて、国内一般誌・専門誌「マスコミ」、国内経済誌「JOINT」、海外産業・企業誌紙「KSK SCANNER」の3つのメニューファイルから成る「MAGAZINE」へ移行します。MAZAGINEは元々、個々のデータベース(ファイル)をまとめた横断検索サービス(総合ファイル)という位置づけだったのです。

MagazinePlusの歴史〉
1986年 NICHIGAI ASSISTのメニューとして、新聞・雑誌記事情報「マスコミ」を提供
1989年 複数のソースを再編して「MAGAZINE」として提供
1996年 「MAGAZINE」を「ジャーナルインデックス」「JOINT」「KSK」に分離して提供
1997年 NICHIGAI/WEBサービスのメニューとして「ジャーナルインデックス」「雑誌記事索引ファイル」を提供
2000年 「雑誌記事索引ファイル」を統合して「MAGAZINEPLUS」として提供

現在のMagazinePlusは、下記の20種のソースファイルから構成されています。学術誌から専門誌・一般誌まで、幅広く採録対象としており、戦前期の古い雑誌もカバー。また、弊社刊行のテーマ別文献目録で独自収集した雑誌記事情報も還元しています。下記の大きなファイル以外に「機関リポジトリ」のデータ採録も続けています。

次回、収録内容の観点から、MagazinePlusの特長を見ていきたいと思います。(竹)

MagazinePlus構成ファイル
1)国立国会図書館 雑誌記事索引(1948~)※継続中
2)国立国会図書館デジタルコレクション(明治・大正・昭和前期)
3)J-STAGE ※継続中
4)地方史文献年鑑(1997~2020)※継続中
5)東洋経済(1997~) ※継続中
6)KSK〈海外産業・企業誌紙〉(1985~2005.3)
7)JOINT〈国内経済専門・業界誌〉(1981~1995)
8)学会年報・研究報告論文総覧(1945~2022)※継続中
9)論文集内容細目総覧(1945~2008)
10)歴史学紀要論文総覧(1920~2006)
11)文芸雑誌小説初出総覧(1945~2005)
12)文芸雑誌内容細目総覧 戦後リトルマガジン篇(1945~1979)
13)大東亜戦争書誌(1937~1944)
14)探偵雑誌目次総覧(1922~1964)
15)現代詩誌総覧(1921~1946)
16)戦後詩誌総覧(1945~1975)
17)食文化・味覚雑誌目次総覧(1946~2010)
18)一般誌・総合誌・ビジネス誌(2003.4~) ※継続中
19)ジャーナルインデックス(1981~2003.3)
20)その他〈論文登録など〉 ※継続中

コメント

タイトルとURLをコピーしました