企画推進室の(竹)です。2024年一発目のポストです。今年もよろしくお願いします。
「最近の書誌図書関連文献」という日外ホームページのコンテンツをご存じでしょうか。出版案内のメニューからアクセスできます。
書誌学者の天野敬太郎氏(1901-1992)が1940年(昭和15年)に月刊『日本古書通信』誌上で連載を始めたもので、新しい書誌・目録を紹介する速報記事です。『日本古書通信』(創刊1934年)は、古本愛好家や研究家・古書店主たちの知識や経験談、書物随筆、書誌情報、出版界・学界・図書館界のニュースなどを掲載し、通巻1,000号を越えて、個人愛好家・書店・古書店・出版社・図書館・大学研究室などに広く読まれています。現在も Fujisan.co.jp で定期購読可能です。
「最近の書誌図書関連文献」の連載は、戦時中は一時中断されましたが、その後、再開されて、1967年(昭和42年)、早稲田大学図書館の深井人詩氏(1935-2020)に引き継がれ、渡辺美好氏、中西裕氏らとの共編を経て、中西裕氏に引き継がれました。中断期間はあるものの、書誌一筋のこのような長期連載は驚くべき偉業です。
2007年7月、惜しまれつつも連載終了となりましたが、2008年2月、日外アソシエーツ運営(当時)の「レファレンスクラブ」という図書館向け情報サイトにて中西氏の当連載が復活を果たします。紙からWEBへと媒体は変わりましたが、基本的に『日本古書通信』誌上の連載形式をすべて踏襲することに。すなわち、毎月1回、紹介するのは新しく編まれた書誌・目録です。1冊全体が書誌であるものはもちろんのこと、研究書に収められた参考文献なども対象としています。あるいは、著作家の伝記に付けられた年譜も著作物が記されていれば採録対象です。年に1回、「図書関係文献」も取り上げています。従来の紙媒体と異なるのは、書名などの長さに制限を加える必要がなくなったことです。そして、2018年2月より、早稲田大学で深井・中西両先生に師事した有木太一氏に引き継がれています。2022年3月、レファレンスクラブ閉鎖後は、日外ホームページ内にコンテンツを移動しました。足掛け74年に渡り続く当連載は、現在、弊社ホームページにて毎月15日更新、無料で閲覧できるのです。
余談ですが、弊社では、1982年より、1年間の“書誌の書誌”を集積した『書誌年鑑』を刊行しています。その歴代の編集も深井氏、そして中西氏が務めており、2018年から有木氏が担当されております。(竹)
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