三島由紀夫書誌

佐藤秀明・山中剛史・久保田裕子 編
B5判 上製 約1,150頁 
定価33,000円(本体30,000円+税10%)
ISBN:978-4-8169-3047-8
日外アソシエーツ 2025年5月刊行予定
*電子書籍版もあり

はじめに

 生誕百周年を迎えた戦後日本文学を代表する作家・三島由紀夫に関する年譜・文献・上演・映像など各種資料を集めた最大規模の書誌。多年にわたる綿密な調査にもとづき、三島由紀夫の全体像に迫る、図書館・研究者必携の決定版と言えます。
 新潮社「決定版三島由紀夫全集 第42巻 年譜・書誌」未収録の参考文献目録28,000件を中心に、詳細な年譜、翻訳作品目録2,200件、「決定版」刊行以後約20年分の補遺も含めた30,000件超の過去類例を見ない規模の文献・資料を集成しました。
 言及された作品、初出・再掲の情報も示した参考文献目録、海外での受容の広まりを示す翻訳作品目録、生誕100年記念となる2025年1月まで、没後の受容面に重きを置いた年譜、新潮社版刊行後だけでなく未収録作品、新発見書簡や映像資料情報なども新たに収録。今後の三島研究・読解に欠かせない資料です。

「はじめに」より(抜粋)
従来の目録
 『決定版三島由紀夫全集』(新潮社、全42巻・補巻1・別巻1)は2000年(平成12年)11月から2006年(平成18年) 4月まで刊行された。(中略)しかし、刊行開始から四半世紀近くの時が流れ、完結後からでも20年近い年月が経っている。この間、三島由紀夫の新たな著書が刊行され、編集時には気づかなかった未収録作品や書簡や音声・映像資料が発見され、演劇や放送や映画の分野では大へん多くのアダプテーションがなされてきた。

本書の成立ち/いま世に問う意義
 この『三島由紀夫書誌』は、「受容史――そのためのエスキス」を巻頭に置き、1「年譜」、2「参考文献目録」、3「著書目録」、4「上演作品目録」、5「映画化作品目録」、6「放送作品目録」、7「音声・映像資料目録」、8「逸文目録」、9「翻訳作品目録」、10「著者名索引」から成り立っている。(中略)これらの目録は、『決定版三島由紀夫全集』が記載・収録しなかった、あるいはできなかったデータを収録したものである。

死後に成長する作家
 三島由紀夫の人気は、1970年(昭和45年)の死以降も、『決定版全集』の完結後も衰えを知らず、むしろ高まるばかりで、とりわけ多くの翻訳を通して海外での受容が高まっている。(中略)三島由紀夫を「死後に成長する作家」と呼んだのは文芸評論家の秋山駿だが、その「死後に成長する作家」と言われる実態を編年体で示したのが「年譜」である。本書の「年譜」は三島の生涯を扱った既存の年譜に対して、生前の事項を簡略にし、むしろ没後の事項に重きを置いたものにした。

佐藤秀明(近畿大学名誉教授、三島由紀夫文学館館長)

目 次

 受容史―そのためのエスキス
 年 譜
 参考文献目録
 著書目録
 上演作品目録
 映画化作品目録
 放送作品目録
 音声・映像資料目録
 逸文目録
 翻訳作品目録
 著者名索引

本文サンプル

編者プロフィール

佐藤秀明 さとう・ひであき山中剛史 やまなか・たけし久保田裕子 くぼた・ゆうこ
近畿大学名誉教授、三島由紀夫文学館館長。著書に「三島由紀夫―悲劇への欲動」(岩波新書)、「三島由紀夫─人と文学」(勉誠出版)、「三島由紀夫の文学」(試論社)、編著に「三島由紀夫紀行文集」「三島由紀夫スポーツ論集」(ともに岩波文庫)など。「決定版三島由紀夫全集」編集協力。「三島由紀夫研究」(鼎書房)編集委員。中央大学大学院ほかで非常勤講師。三島由紀夫文学館研究員。単著に「谷崎潤一郎と書物」(秀明大学出版会)、共著に「決定版三島由紀夫全集42書誌・年譜」(新潮社)、共編著に「混沌と抗戦―三島由紀夫と日本、そして世界」(水声社)など。「三島由紀夫研究」(鼎書房)編集委員。福岡教育大学教授。研究分野は、日本近現代文学研究、女性作家研究、日本文学におけるタイ国の表象分析研究。共編著に「三島由紀夫小百科」(水声社)、「21世紀の三島由紀夫」(翰林書房)、「混沌と抗戦―三島由紀夫と日本、そして世界」(水声社)など。「三島由紀夫研究」(鼎書房)編集委員。

PDFカタログ

 「三島由紀夫書誌」PDFカタログ(3.5MB)はこちらです。

2025.4

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