日外アソシエーツ「図書館ウォーカー―旅のついでに図書館へ」(2023.1刊)、
そして続編の「図書館ウォーカー2―旅のついでに図書館へ」(2024.5刊)
著者のオラシオさんによる、月1回のスペシャル連載コラム、ぜひご覧ください。
最近「図書館と温泉をハシゴできる街」探しにハマっています。とは言え、もともと温泉はそれほど好きだったわけでもなく、旅先でも「そう言えば、大学の先輩が温泉訪問記ブログやってたなあ、そんなに温泉っていいものかな」などと思い出しながらスルーすることがほとんどでした。
しかし図書館ウォーカー旅を続ける中でネタのため館近くの温泉に入ることが増え、時々ものすごく「当たりやな」と感じる泉質があることに気づきました。ちなみに泉質はぬるぬる系が好きみたいです。代表的なのは北海道の帯広市などで有名なモール泉ですかね。一方で、感性が鈍いため有名なところでもピンと来なかった温泉も多いです。

温泉と図書館が近所にあってその日の気分で気ままにハシゴできたら。そんな街に移住すると毎日が楽しそうです。言わば「温泉のあとは図書館へ」でしょうか。個人的に図書館ウォーカーは「次の移住先候補探しの旅」でもあるので、泉質はさておき温泉が図書館の近くにあるだけでもホイホイ移住したくなります。とは言え20数年前に東京から移住してきて住み続けている青森市も、実はそういう街なのでした。
青森県は人口10万人あたりの公衆浴場数が日本一の都道府県で、しかも各地で温泉が湧いています。公衆浴場という言葉から都会の人が想像するだろう「銭湯」よりも、銭湯感覚で利用できる温泉のほうが断然多いのです。青森市内でもそういう「温泉」がいたるところで営業していて、僕が日頃よく利用している青森駅前の青森市民図書館から徒歩10分かからないところに「青森まちなかおんせん」があり、実際に時々ハシゴしています。

また市北部の「油川」という地域でも小さな図書室付の市民センターと「湯ったら温泉」がハシゴできます。油川は海沿いに位置し住宅街を抜ければすぐに陸奥湾が広がり、旧奥州街道の油川宿の名残が感じられる歴史のある街。ほんの少し西側の山手に向かうと青森市民の憩いの場でもあり桜・紅葉の名所としても知られる野木和公園が。正直「郊外の中のさらに郊外」といった感じなので便利とは言い難いエリアではあるのですが、のんびりした時が過ごせる、お気に入りの街です。

運転免許を持っていないので、個人的には「温泉のあとは図書館へ」が楽しめる条件は両者が徒歩10分以内の距離にあることが必須かなと思います。体感的には入浴後の汗がまだ引ききらない距離という感じでしょうか。温泉に火照った体で図書館に入館し、ゆっくり本を選んだり読書したり。豊かな日常だと思いませんか。今回は僕が住む青森市の例を挙げましたが、次回は規模を全国に拡大して「温泉のあとは図書館へ」の事例にもう少し踏み込んでみたいと思います。乞うご期待。
(オラシオ)
【著者略歴】オラシオ
ライター、エッセイスト。大阪育ち青森市在住。
2019年11月から陸奥新報で「図書館ウォーカー」を連載中。旅先で訪ねた図書館は550館以上。公共図書館員として8年間勤務経験あり。著書に「図書館ウォーカー―旅のついでに図書館へ」(2023)。「図書館ウォーカー2―旅のついでに図書館へ」(2024)。音楽の分野ではコンピレーションCD「ポーランド・ピアニズム」「ポーランド・リリシズム」(CORE PORT)選曲解説の他、ライナー執筆など多数。
note フォロワー3.5万超(https://note.com/horacio)


コメント