「まちライブラリー」は、本を介して人と人がつながる私設図書館の取り組みです。現在では全国各地に広がり、その数は約1,300ヵ所にのぼります。本書では、その中から「一度は行ってみたい」「この人に会ってみたい」と思える47ヵ所を厳選して紹介しています。
■全国47のまちライブラリーを取材
まちライブラリー提唱者の礒井純充氏をはじめ、各地でライブラリー運営に携わる執筆陣が実際に現地を訪問。それぞれのライブラリーの特徴や取り組み、運営者・利用者の思いを丁寧に紹介しています。
子どもたちの居場所づくりに取り組むライブラリー、地域の交流拠点となっているライブラリー、愛読家が集うライブラリーなど、多彩な事例を収録。全節カラー写真付きで、現地の雰囲気や魅力を感じながら読むことができます。

■「新しい図書館のかたち」を知る
本書で紹介するまちライブラリーは、公共図書館とは異なり、個人や地域の人々が主体となって運営しています。
同じ「まちライブラリー」という名称でも、その運営方針や規模、集まる人々の姿はさまざまです。本書を通じて、運営者の数だけ異なる個性豊かなライブラリーの姿と、人・本・まちをゆるやかにつなぐ新しい公共のかたちを見ることができます。
■巻末資料も充実
巻末には、
- 宮内禎一氏(元日本経済新聞編集委員)×礒井純充氏による対談
- グラフでまちライブラリーの傾向を読み解く「データで見るまちライブラリー」
- イラスト付きでわかりやすい「まちライブラリーの始め方 Q&A」
を収録。
まちライブラリーを訪ねてみたい人はもちろん、「自分でも始めてみたい」という人にも役立つ内容となっています。
■編集者の声
編集を通じて、あらためて「まちライブラリー」の多様さに驚かされました。
まちライブラリーは、登録するだけで誰でも無料ではじめることができる取り組みです。そのため開始のハードルが低く、運営の自由度が高いことが特徴です。
本書では、商業施設に併設された大規模な館から、自宅の一角を公開している小さな館まで、実にさまざまな事例が紹介されています。
とくに個人が運営する館には、「この地域だから」「このオーナーだから」「この利用者たちがいるから」生まれたのだろうと思える個性がありました。それぞれ異なる姿をしていながら、「本を介して人と人をつなぐ」という共通の思いが流れていることも印象的でした。
また、本書は読書や図書館が好きな方だけでなく、「何か新しいことを始めてみたい」と思っている方にもおすすめです。
本書に登場するオーナーの多くは、決して大きな計画や組織から出発したわけではありません。自分の興味や身近な課題意識から一歩を踏み出し、その活動を楽しみながら続けています。
現在は全国各地に広がっているまちライブラリーも、もともとは礒井氏が地元の小さなビルの一室ではじめた取り組みでした。本書の中で礒井氏は、「私もなぜこんなに広がったのか不思議です。“普通に道を歩いていたのに気が付くとかなり高いところまで登ってきていた。そんなに健脚でもないのに”というのがこの15年間の感想です。行き当たりばったりだから成功したのかもしれません。」と語っています。
本書に登場する皆さんの姿からは、「まずはやってみること」の大切さや面白さが伝わってきます。きっと読者の背中をそっと押してくれる一冊になっていると思います。
ぜひ多くの方に手に取っていただければ幸いです。
(編集担当・N)






礒井純充
まちライブラリー提唱者
1958年大阪市生まれ。中央大学文学部哲学科卒。大阪府立大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。経済学博士。
1981年、森ビル株式会社に入社し「アーク都市塾」 「六本木アカデミーヒルズ」などの文化・教育事業に従事。取締役広報室長などを歴任。
2011年に「まち塾@まちライブラリー」を開始。以降、 「まちライブラリー」の提唱者として活動の運営・サポートにあたる。
2024年、第24回図書館サポートフォーラム賞を受賞。
著書に、 『マイクロ・ライブラリー図鑑』 (まちライブラリー、2014) 、 『本で人をつなぐ まちライブラリーのつくりかた』 (学芸出版社、2015) 、 『ブックフェスタ 本の磁力で地域を変える』 (共著、 まちライブラリー、 2021) 、 『 「まちライブラリー」の研究 「個」が主役になれる社会的資本づくり』 (みすず書房、2024)などがある。

『行きたい!会いたい!まちライブラリー ―全国47の人と本と街―』
礒井 純充〔編著〕 まちライブラリー応援隊〔著〕 A5・220p 2026.6 日外アソシエーツ刊
定価2,420円(本体2,200円+税10%)
ISBN:978-4-8169-3103-1


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