図書館ウォーカーの参加型イベントを妄想してみる

日外アソシエーツ「図書館ウォーカー―旅のついでに図書館へ」(2023.1刊)と、続編「図書館ウォーカー2―旅のついでに図書館へ」(2024.5刊) の著者オラシオさんによる、月1連載コラムです。

 図書館ウォーカーをご愛読くださっているみなさまはもうおわかりかと思いますが、僕は旅先であまり「人とのつながり」を重視していません。もちろんふとした時にこちらから話しかけたり話しかけられたりして楽しい会話になったり思い出深い出会いになったりとかはあるんですけれど、積極的にそういう出会いを作ろうとは思っていないというのが正確な表現でしょうか。「それでも楽しい旅になる」「そんな人でも旅を楽しめる」と思って書いている作品ではあるものの、そういう人間なので「人とのつながり作り」を演出するのがすごく下手だし、アイディアも全然ありません。

熊本県宇土市の観光名所「御輿来海岸」のマテ貝
熊本県宇土市の観光名所「御輿来おこしき海岸」で出会ったおばあちゃんが採っていたマテ貝

 これまで図書館をはじめさまざまな場所でトーク出演してきました。ひたすら写真をお見せしながら面白おかしく旅の様子や図書館をご紹介する「スライド漫談」スタイルはとても楽しんでいただけるものの「たまには参加型のイベントとかもできたほうがいいのかな」と思うこともしばしば。

 なぜなら、図書館ウォーカーは「実際に図書館に足を運んでもらいたい(そしてついでに周りの街を歩いてもらいたい)」という思いで書いているからです。参加型イベントを通して、図書館を歩く旅に出かけたくなる人をもっと増やせるのでは? 図書館では今、ビブリオバトルや閉館後の館内探検などさまざまな「参加型」イベントが行われています。イベントではないものの、最近話題のNDC分類擬人化なんかも間口を広くするという意味ではある種の「参加」を促す試みと言えそうです。

 突然話は変わりますが、つい先日2週間ほど福島県の白河市に滞在してきました。白河で偶然知り合った方に教えていただいたのが、小説家の竹内真さんが作中で使うべく考案した「フラグフレーズ」という参加型ゲーム。その後りぶらん(白河市立図書館)でも開催されたそうですし、これからもどんどん図書館などで導入されそうな汎用性の高いものだと言えそうです。フラグフレーズについてはネット上でいろいろ詳しく紹介されているので気になる方はぜひ検索してみてください。

夕暮れ時の白河駅
夕暮れ時の白河駅

 では図書館ウォーカーはどんなイベントができるのか? つながり作りがダメダメな人間なりに妄想してみましょうか。これはトークに来てくださったお客様にリクエストされたものなんですが、実際に駅から図書館に行って館内もまわってというミニツアーをコンダクトすればいいのでは、というもの。

 僕が何を見て何を考えてどうやって歩いているのかを参加者の方にお伝えしながら散策したり、一緒にお茶や食事をしながらみなさんの注目ポイントなんかをシェアしたりとか楽しそうですね。課題としては、行き先の図書館さんに協力していただく形になるのと、ツアコン的なことをするには僕自身にも免許だか資格だかが必要だとそちら方面に詳しい友人に教えてもらいました。うわっ、ハードル高い!(笑)

トンガリ分岐
街歩きで特に注目しているのがこういうトンガリ分岐(福島県白河市総合運動公園すぐそば)

 もう一つは調べもの学習に近い感じでしょうか。例えば「北海道の道東を公共交通だけ使って3泊4日の旅をするならどの街、どの図書館に立ち寄るか?」「1つの街で最低1時間散策する」というざっくりとした条件をつけて各自の旅プランを作って発表してもらうというものです。公共交通の時刻表は意外と検索スキルも必要なので、ネットリテラシー向上の面でも多少は役に立つのかと。

図書館以外の「サードプレイス」的な空間
街歩きでは図書館以外の「サードプレイス」的な空間の有無にも注目しています(茨城県大子町のBright Base Daigo)

 「正解」がないのもいい点です。僕も自分のプランを発表して旅やプラン作りのコツなんかをある程度はお伝えしますが、それは単に「一例」に過ぎず、模範解答ではありません。それぞれの視点からの旅を持ち寄って、空想上の図書館ウォーカー旅をみんなで楽しむ。これ、なかなか良さそうじゃありません? というわけで全国の図書館や公民館からのオファーをお待ちしております(笑)

(オラシオ)

【著者略歴】オラシオ
ライター、エッセイスト。大阪育ち青森市在住。
2019年11月から陸奥新報で「図書館ウォーカー」を連載中。旅先で訪ねた図書館は550館以上。公共図書館員として8年間勤務経験あり。著書に「図書館ウォーカー―旅のついでに図書館へ」(2023)。「図書館ウォーカー2―旅のついでに図書館へ」(2024)。音楽の分野ではコンピレーションCD「ポーランド・ピアニズム」「ポーランド・リリシズム」(CORE PORT)選曲解説の他、ライナー執筆など多数。
note フォロワー3.5万超(https://note.com/horacio)

「図書館ウォーカー—旅のついでに図書館へ」
 オラシオ〔著〕
 A5・230p 2023.1 日外アソシエーツ刊
 定価2,530円(本体2,300円+税10%)
 ISBN:978-4-8169-2952-6


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「図書館ウォーカー2—旅のついでに図書館へ」
 オラシオ〔著〕
 A5・220p 2024.5 日外アソシエーツ刊
 定価2,530円(本体2,300円+税10%)
 ISBN:978-4-8169-3008-9


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